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サイバー攻撃対策「正義のハッカー」東京に集合

ホワイトハッカーによる国際会議「CODE BLUE(コードブルー)」が17、18日、東京都内で開かれる。

 国内外からトップクラスの技術者が集まり、サイバー攻撃への最先端の対策を話し合う。これまで、企業主催のものを除き日本発の国際会議はなかったが、サイバー攻撃急増で社会の関心が高まる中、情報発信の場がようやく用意された。


 同様の会議としては、1997年に米ラスベガスで始まった「ブラックハット」が有名だ。著名なハッカーが登壇し、その発表を聞くために世界中から毎年1万人近くが集まる。欧州など各国で開かれているが、日本では2008年の開催を最後に開かれていない。


 コードブルーはブラックハット級のイベントを国内で開催しようと、情報セキュリティーの専門家らが企画。基調講演は、ブラックハットを創設した伝説のハッカーで、現在は米国土安全保障省アドバイザーのジェフ・モス氏ら2人が行う。このほか、論文審査で選ばれた日本、米国、韓国、ベルギーなどの技術者12人も講演する。テーマは重要インフラに使う制御システムのハッキングや、ネットワーク家電の問題など幅広い。


 事務局の篠田佳奈さんは、「コードブルーは医療用語で『緊急事態発生』『至急全員集合』の意味。知恵を結集して世界を救おう、との思いを込めた」と話す。問い合わせは同事務局(info@codeblue.jp)。


 登壇者の一人、下垣内(しもがいと)(だい)さん(39)は、災害やサイバー攻撃で損傷したデータの復旧や対策について講演する。大阪でデータ復旧の会社を営む下垣内さんは、サイバー犯罪捜査に欠かせない科学捜査、デジタル・フォレンジックの世界では有名な技術者だが、「犯罪者に手の内を知られたくない」として、表舞台に立つことはなかった。


 心境を変えたのは3年前の東日本大震災での経験だった。津波で被害を受けたパソコンなどのデータ復旧が試みられ、その技術は飛躍的に進歩した。自身も復旧に携わった下垣内さんは、「震災で培われた日本の技術力を、世界に発信する義務がある」と考えた。


 ◆ホワイトハッカー=コンピューターの技術に精通し、プログラムなどの安全性向上に生かす技術者。技術を悪用するブラックハッカーと区別される。

2014年2月6日15時16分  読売新聞)

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