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匿名掲示板
歴史
以下、日本国内の状況を時系列にまとめる。
パソコン通信時代の電子掲示板と言えば「草の根BBS」や「フォーラム」と呼ばれるものが主体であった。当時は、パソコン通信の利用者も少なく現実世界の延長線上として実名で何かを投稿するものが多く、それが慣例化していた。これは、ほとんどの場合管理者が投稿者の個人情報を掌握していたことや、限られた閉鎖的な空間で、不特定多数の人間に自分の意見が観察されるという懸念もない安心感があったからと推測される。
1990年代半ばからグローバルな開かれた通信網のインターネットの発達により、パソコン通信は廃れ、同時にパソコン通信による実名で投稿するようなBBSや形式も廃れた。一般向けサービスが拡充されたことによって、インターネット利用者も莫大に増え、不特定多数の見ず知らずの人間と交流することも多くなった。そのため、インターネット上で限られたメンバーのみとの交流を図りたい場合、実名で書き込むことは難しいと考えられはじめ、また、インターネットの特質上容易に書き込みやすい反面揉め事も起きやすく、実名で事件が起きると大きな精神的被害を受け、時には現実的な被害を生む不安が生まれた。そういった掲示板でのコミュニケーションの円滑化を目的としたネットユーザーや、ネット上でちょっとした遊び心を出しやすい環境になった結果、ハンドルネームを常用する匿名掲示板という、現実世界とは一線を画したインターネットの文化が根付いた。
問題
匿名掲示板は、自分の本名ではない匿名でのやり取りが行われるだけに、自己の体裁やメンツを守る必要・発言に対する責任を取る義務が無い為、一般社会ではあまり見る事は無い乱暴な表現が日常的に用いられるという特徴を持つ。目の敵にする特定の個人・有名人や団体、ないしは民族や人種といった、ある属性の不特定多数を攻撃またそれを煽動する目的で誹謗中傷やデマを書き込む者もいる。 また事実であると確信して書き込んだ内容であっても、実際は異なった事実である場合もある。明らかに間違っている事実でない限り、匿名掲示板で安易にそれが間違いであると指摘しても、余程の根拠がない限り間違った事実であるという認識が広まりにくい。また、匿名であるためその発言者は隠れてしまい、反論することが出来ず間違った事実が事実として世間に広まる危険性もある。これはテレビや雑誌メディアでも共通して見られる問題でもある(=嘘も百回言えば真実となる・真実に紛れれば嘘の信憑性は高まる)。
現実世界でも過度な誹謗・中傷でもしない限り、法的な責任は問われない。これはネット上、特に匿名掲示板でも当てはまる。しかし、現実世界では社会的な責任を負わされるのに対し、匿名空間ではそのような社会的な制裁を回避することが出来る。そのため、誹謗・中傷する罪悪感の希薄化を指摘する声もある[誰?]。
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