GLADIATOR Guild Blog

全てを失い　一人きりの孤独　食うものさえも何も無かった時
高円寺か中野だったかに
期限を過ぎたアルバイトニュースを片手に
ビルの一室にある事務所に向かった
「昔のアルバイトニュースを見てきたんですが　仕事まだ募集してますか？」

事務所の社長がしばらくするとでてきて

「何でもするなら　あるよ」

そうやって国分寺の病院建築現場を教えて貰い向かった

でかい建築現場には　大勢の人が　コンクリートと　鉄の支柱と針金の突き刺さった場所に
うごめいており

近くにプレハブ小屋があり

設計事務所みたいなとこに行き　安全帯とヘルメットを貰い仕事の説明を受けた

現場を案内されハリガネを　コンクリートにささった鉄にまきつける仕事

設備会社の仕事でそれをずっと繰り返す

「落ちるなよ　落ちると死ぬし　誰もそのあとの処理はしねえぞ」

どうやら日雇いの仕事は　怪我すると終わり

単純に翌日は仕事できないだけ

サイレンがなりメシ時間なると　親父さんたちが集まりおにぎりや弁当をくってた

「お前　メシくわねえのか？」

「ああ　金ないのでいいです」

「メシ食わんと　もたねえぞ・・」

と言いながら　おにぎりとコーラ貰った記憶があります

「すみません　有難うございます。」

メシとか滅多に食えなかったので

未だにあの味は忘れない

５時とかには　現場にサイレンが鳴り

駅まで歩く人の列

途中ワンカップを買う人　

競馬の負けのチケットが　時々おちており

そのなかを歩き　ギリギリの小銭をもって　中央線に乗り

事務所へ戻り　何人も集まってる人へ社長が封筒を配ってた

「ごくろうさん」

肩を一人一人叩き　封筒を貰い

中身は８０００円ぐらい

こきたないＭＡ１のジャンパー

ジーンズと　穴だらけの白いスニーカー

そんなかっこで家路まで歩き

阿佐ヶ谷でカップラーメン　とおにぎりと　コーラを買い

真っ暗な家に到着

コンビニで入れてもらったお湯も

家にもどるころにはスープを完全に吸い

ものすごくでかくなり

枯れた腹には最高のメシ

疲れた体と久しぶりの満腹感で　何もかも忘れて寝る

この生活を３ヶ月ほど送っていた記憶がある

そのうち　牛丼が食えるようになったりして
牛丼でも　感動・・・

あの頃は何もなく毎日メシを食える事が最高のやりがいだった。